2024年 新体制

2023年も間もなく終わろうとしています。

弊社は年末らしくバタバタと忙しなく、気ばっかり急いていますが

なんとか元気に仕事をこなしています。

それなりの仕事量を頂けているのは有難いことですが、周りの会社さんは

ず~っと暇や~ とぼやいている所も少なからず、といった感じです。

製造業の最下流と言ってもよい我々の仕事は波が激しいため、忙しいときは

とことん忙しいけど、暇なときは閑古鳥すら寄り付かないほど暇にもなります。

それでも忙しいときの仕事量を少しでも多く確保したい、と思いつつも

新たに機械を置くスペースも無く困っていました。

そんな中、すぐ隣の工場が空くというまさに僥倖。

「隣の土地は倍出してでも買え」とはよく言われることです。

買いはしませんが、光の速さで不動産屋さんと契約しました。

ということで2024年より第二工場をオープンします。

それほど広くも無く、まだまだガラガラで機械も何も入っていませんが

2024年の目標は新設備導入と人員増強を行い、生産効率とキャパUPです。

2024年も株式会社トーシンを宜しくお願いします。

 

 

大判いただきました

おおばん、ではなく だいばん と読むそうです。

先日和歌山で釣れた大判カツオを頂きました。

近所の取引先で釣り友が釣ってきたものを持ってきてくれました。

10kgはあろうかという最高のカツオです。

ルアーのフックが下あごの掛かっていたためか、船に抜き上げる時に

顎ごと取れてしまったようです。

このため昔からカツオ漁具は上顎に針がかりするよう工夫されてきたようです。

近年のカツオマグロブームで昔からの漁具を最新の釣り具にセットする方法が

どんどん広まってきています。

そんなニッチな情報も釣り具さんか漁師さんに教えて貰っていた昔に比べて

YoutubeやSNSで簡単にわかる時代になりました。

便利~

ポン酢とごま油、ニンニクで作ったタレで脂のり最高のタタキで頂きました。

まあまあの大きさの一柵をほとんど息子にたべられましたが・・・

いかつい穴加工

横中ぐり盤での穴加工です。

どうにもアプローチしにくい場所に穴あけ加工です。

しかも中々の深穴でかなり苦労している様子でしたが、

横中ぐり盤の職人が粘り強く正解を導き出してくれました。

かなり苦労したようで、一仕事終えた職人は

「もうやりたくないっす!」

と爽やかに言っていました。

ダライ粉?切粉?

ダライコ とは切削屑のことで、当社のようなフライス仕事や旋盤加工屋さんで

仕事をした際に出る屑のことです。

金属なので勿論売れるわけで、専門の買い取り業者さんが沢山います。

金属と一括りにしていますが、鉄、ステンレス、アルミ、銅、チタン・・・

様々な被削材を相手にしているので材質が変わるたびに機械とその周辺掃除が

大変です。なにしろ少しでも混ざっていると(例えばアルミに鉄が少しでも)

その買取価格は一気に下がります。

最近は鉄材料はじめとしてあらゆる材料価格が高騰しているので、それに

伴ってダライ粉買取価格も上がっているため掃除も回収も必死です。

ところで「ダライ粉」の言葉を使うのは西日本が多いそうです。

以前勤めていた機械メーカーでは「切粉(キリコ)」としか呼びませんでした。

各地を渡り歩いた営業マン曰く「ダライコは関西弁」とのこと。

ほんまかいな、と思いましたが確かに一般的に使うのは大阪の営業だけでした。

そういえば昔読んだ黒川博之の小説では「蛇螺粉」と解釈されていました。

蛇螺粉回収業で細々と生計を立てている主人公の話で、やはり大阪が舞台でした

当て字としてはなるほど理にかなった字面だと妙に納得した覚えがあります。

ところが今調べてみるとダライ盤というオランダ由来の旋盤が語源のようです。

なぁんだ、という感想ですが、同時に「蛇螺粉」という字面の説得力が大した

もんだと思いませんか?

例え間違いだとしても正直「こっちでええやん」とすら思います。

今日も今日とて熱々の「蛇螺粉」がバケット一杯にあふれています。

シカルやマシニングから出てくるそれはまさしく蛇の螺鈿といった様相です。

ただバケットの中は螺鈿のおかげでほとんど空気・・・

大した価格にはなりません。

チップクラッシャーでも買ってやろうか・・・

いやそんなもの買ったら遊んじゃうしな・・・

毎日そんなことを考えながら掃除をしています。

*チップクラッシャ

(18) The Crusher Destroy Everything Process is Amazing – YouTube

長尺品のマシニング加工

少しづつですが秋めいてきました。

エアコンは効いていても外に出れば汗が噴き出す時期が過ぎてほっとします。

仕事量も相変わらず忙しくさせて頂いていますが、波が激しいため先の予測が

難しく、仕事を取る按配がとんでもなく難しい状況です。

先行き不安で取りすぎるとパンクしそうで、取らなさすぎると暇になりそう

難しい舵取りですが、所詮は中小零細企業ですから大企業に比べると簡単な

のでしょう。多分。

写真は長尺のスライド部品です。

全体像は見せれませんが、45Cを削り出して高精度な溝や穴が沢山加工

されています。

何度かリピートして頂いている加工品ですが、今回は珍しく斜め勾配加工が

求められていました。3次元加工というほど大したものではありませんが、

これくらいはラジアスを使って簡単にできます。

写真は荒加工なので、これから仕上げです。時間をかければ掛けるだけ綺麗に

なりますが、それだけコストも掛かります。

溶接用開先程度なら荒だけで終わってもいいのですが、今回はもう少し綺麗目

に、ということでここから1時間程追加です。

 

 

台風一過

台風7号がお盆休みに直撃したせいで釣りの予定が無くなりました。

和歌山の馴染みの船長からカンパチのお誘いを頂いたのですが、見事に中止

天候ばっかりは仕方ないと諦め、漁港ではなく会社へと来ました。

当社も含め周辺の会社は殆ど休みですが、皆さん被害が無いか心配のようで

ちらほらと工場のシャッターが空いています。

お隣の製缶屋さんも当社も目立った被害は無く一安心です。

折角来たのでしばらく仕事をしてから水槽の手入れです。

お盆休みの間絶食状態の熱帯魚に餌をあげて、低床掃除と換水をしました。

60cm水槽はあえて電気を落としていたおかげでコケが一掃され、さらには

ニューラージパールグラスから小さな新芽が沢山出て綺麗な草原の様相です

厚みも制御出来ているので、一応はレイアウト完成でしょうか。

このまま長期維持を目標としているので、1年は持たせたいところです。

Co2は無くても問題ないのですが、ADAのビートルカウンターが見たいので

そのまま稼働です。ランニングコストも月100円程度なので腹も痛みません

唯一気がかりなのはトリミング

草原が厚くなりすぎないようにカットしたいのですが、至る所にミナミヌマエビ

の稚エビが潜んでいるようです。

換水作業程度なら救い出すことはできても、トリミング時は流石に無理

この子たちが大きくなってから、と思ってもまだまだ抱卵個体がいるので

永遠にタイミングが来ないかもしれません。

稚エビ対策と大規模トリミング(しかも前景草のみ)の両立方法を

誰か教えてください・・・

SUS フランジ加工

SUSのフランジにエンドミルで溝を加工しました。

Φ1100mm程度の旋盤加工されたフランジに水冷の為の溝を掘りました。

溝自体が閉じた構造のため、切粉が逃げる場所がありませんでした。

強い水圧やエアで飛ばしてもいいのですが、周囲が大変なことになるので

横中ぐり盤にて垂直に立てて加工を行いました。

 

研磨材への加工

両面研磨された45C鉄板への機械加工です。

弊社で板厚、側面の一次加工 → 研磨屋さんで全面研磨 → 弊社で穴あけ

→ 最終研磨

と研磨を2回実施し、納品となります。

研磨はお客様の手配です。

鉄板の平面・平行の公差が非常に厳しいためこのような工程となりました。

正直言って、研磨品は神経をすり減らします。

今回は再度研磨工程があるのでマシですが、傷にはいつも以上に気を遣います。

担当してくれた職人も、クレーンの吊り方に至るまでかなり気を遣って

加工してくれました。

研磨品に限らず、今は「美観」というのも非常に大事な製品価値です。

私がこの業界に来たときは精度や公差さえ守られていればOKみたいな風潮

が少なからずあったように感じます。

もっと昔では「バリ取りは加工屋はやらん」という風潮すらあったようです。

地域差もあるでしょうし、加工品のサイズや業種でも違いはあると思いますが

今では信じられない考えです。

 

それにしても製品の美観はここ10年で重要度を確実に上げてきています。

私もこの会社に入ってから美観に関して沢山クレームを頂きましたし、

職人たちに口うるさく注意するものですから随分うっとおしがられています。

バリ取り忘れやキズのクレームは減りましたが、どうしても目の届かない所

があり、気を引き締めなくてはいけません。

 

ところでシカル加工にはヘール仕上げというものがあります。

フライス加工の様に回転工具を使用しないシカル加工において、職人がキレイに

研いだ平面用のバイトで平滑仕上げを行うものです。

薄板の切削などで活躍する技術で、卓越したバイト研ぎ技術が求められます

平面度や面相度はフライスと同等程度の仕上がりとなりますが、加工目は

縞模様の様相で、ぱっと見は仕上がっているようには見えないかもしれません。

以前とある製缶品の天板が薄くフライスではビビってしまうため上記のヘール

仕上げを行いました。

製品としては使って頂いていますが、組み立て現場の方は初見だったようで

困惑されたようです。

ベテラン幹部の方はさすがに知識と経験がおありで、問題なしの太鼓判を押して

頂きましたが、こちらもアナウンスや設計提案が足りなかったなと反省。

この時もやはり「美観」は大きな争点となりました。

フライスと同等のものでも、フライス仕上がりの光沢もお客様の求める

クオリティに含まれているという当たり前のことを再認識しました。

塵埃の舞う狭い鉄工所が求め妥協せしめる美観というのが世の中にどの程度

通用するかはわかりませんが、出来るだけやってみる というだけです。

さて、これから研磨プレートを慎重にひっくり返して慎重にバリとりして

慎重に吊って梱包して・・・

気合入れるために栄養ドリンクを飲んでから行ってきます。

 

 

SUS316L 板加工

SUS316の板材加工です。

全体はお見せできませんが、6面加工と穴加工を行いました。

大径穴には緩やかな勾配が指定されていたので、ラジアスエンドミルで

滑らかになるよう加工しました。

ここ数年、溶接品でも304より316が増えてきているように思います。

 

必要ないのに

どの会社でも共通する事かもしれませんが、もしかしたら当社は

他所さんに比べると多いかもしれません。

「必要ないのに、買っちゃったもの」 です。

厳密にいえば全く必要ないわけでもないのですが、無用の長物となり

工場の隅に転がっているものがいくつか見えます。

デカいだけの棚、すかすかの工具箱、殆ど見ないカタログ・・・

特に目立つのが治具です。

リピートあるよ~と言われて置きっぱなしになって何年たつんや・・・

という巨大な鉄の塊が端に寄せられて転がっています。

こういうものを断捨離出来ればもう一台くらいは機械が置けるんですけどね

中々捨てられない社長(父親)と「もう捨てようや!」「いやまだ置いとけ!」

と年末大掃除のたびに言い争いが起こっています。

と、工場内をスッキリさせたい私ですが、社長のことを言えません。

事務所に置いている60cm水槽に全くもって不要なものを取り付けています。

写真のビートルカウンターというガラス器具です。

水槽内の水草成長促進のためにCO2を添加しているのですが、添加スピード

を見るためだけのカウンターです。

本来、CO2装置側に付いているのでわざわざこんなクルクルと気泡が回っていく

必要もありません。

まっっっったく不要なものです。

いらないものと分かりつつも、クルクルと気泡が回って登っていく姿は

なんとも可愛らしく、ついつい魅入ってしまします。

ADAからかつて販売されていたこのカウンター。現在廃盤です。

噂ではこれを作れるガラス工芸職人が高齢で引退し、後継者が居ないとか

事実かわかりませんが、身につまされる話です。

ガラス工芸の世界は判りませんが、やはりこのように目を引く製品は

相当な技能が必要なのでしょう。

来社されたお客さんも「ええね~」とお世辞を言ってくれます。

とはいえ、完全にインテリアですから機能的には要りません。

「なんかかっこいいからええやん!」と言い張る自分は、年末に

「なんかに使うかもしれんからええやん!」と言い張る父親と同罪です。