2019年の備忘録について

リピート品の加工です

履歴を調べると前回は2019年

コロナ前かぁ、とかウチの長男が2歳かぁとか色々頭を巡ります。

当時の図面を見ると相当苦労した経緯があったようで、

図面の裏に工程や条件が真っ黒に書き込まれていました。

それでも出来上がったのはひっどい出来だったのを覚えています。

お客様の要望は満たしていたのですが納得がいっていなかったのでしょう

あーしたらこれがだめ、こーしたらあれがだめ、と当時の悩みが書かれています

折角頂いたチャンスなので今回は根本から工程を変更してトライしました。

最初から最後まで歪みとの戦いでしたが、精度も美観も前回とは比べ物に

ならないほど良いものが出来ました。

全体を掲載できないので一部ですが、SUSの1500mm削り出しとしては

そこそこ綺麗に出来たのではないでしょうか。

職人みんなが妥協せずにやりとげました。

もし次にまたリピートを頂いた時の為に、また図面の裏に今回の工程を記し、

要改善点を書きました。

何年後かの自分がこれを見て思い出すことを祈ります。

値段は倍くらいかかっとるぞ、と

きりこもりもり

今年もゴリゴリ削っています。

2025年がスタートしてから当社も周りもどうにもスロースタートな雰囲気

いや~な空気が漂っていましたがボチボチとスケジュールが埋まってきて

なんとか一安心という感じになったらもう2月が目の前に。

もう2月??

時の流れについて深く考えるのは止めます。

写真はマシニングで削った荒加工の写真です。

切粉がモリモリでいい感じです。

切込みを浅く、早くが正義の時代ですが

油臭いボロボロの機械でゴリゴリの加工条件にしてバリバリ音を立てながら

テーブルが切粉でモリモリになっている様子はとてもいいものです。

シカル プレス型の加工

ご近所の溶接を手掛けられている会社さんからプレス型の加工ご依頼です。

長年使われていた型が設計変更により新規で作らなければ、とのことでした。

ご依頼を頂いてからご来社頂き、設備を見て頂きました。

手掛ける業界や使う技能は違えど、同じモノづくりに対する熱い想いをお持ちで

こちらも大変勉強になりました。

弊社ではご希望頂ければ(希望が無くても)いつでも工場内を見て頂けます。

安全靴、写真NG、禁煙 の最低限さえ守って頂ければいつでもご案内します。

ただし、地面に散乱する切粉が靴底にめり込みます。

絶対にめり込みます。

 

大型タンク加工

少し前ですが、大型タンクのフランジ加工を行いました。

ご近所さんからのご依頼です。

巨大なSUSタンクの内側に入り込んだ箇所の加工でした。

タンクの固定は製缶屋さんが流石の治具製作。

打ち合わせを重ねていざ加工スタート!と上手くは行かず

芯出しやら加工工具やらトラブルは一杯でしたが、

なんとか加工完了して出荷しました。

お盆の営業と現在の状況について

外の気温は朝でも軽く35度を超え、少し動いただけでシャツの色が一変する

ほどの灼熱の日々が始まりました。

社内も別の意味で熱い状況です。

8月の仕事はかなり一杯。ありがたいことです。

9月のスケジュールもぼちぼち埋まりだすかという嬉しい状況ですが

地域密着も売りにしている以上は近くの取引先様の特急案件にも応えていかねば

なりません。

少しの余力を残しつつ、スケジュールが埋まる悦びと、納期に追われる緊張が

今日も交互に押し寄せてきます。

このクソ暑い中、お盆なんぞどこ行くねんという感じですが法事やら墓参りやら

親戚行事は盛りだくさんのお盆のスケジュールは大体皆さんと同じでしょうか

10日から15日までのお休み、16,17は出勤 となります。

 

画像はとある鉄製品のシカル仕上げ面です。

わかりにくいかもしれませんが、全体に勾配がついており尚且つ平滑に

仕上げました。

更に綺麗に磨いて梱包します。

磨き、バリ取り、ひっくり返して同じ作業、更に防錆、梱包・・・

社内で一番汗だくなのは私です。

 

それは逆に難しいんよ

弊社としては中々こってりとした加工でした。

材料だけで目方1トンを超える各パーツを前加工し、溶接。

溶接後に面引き加工、穴あけ加工と一通りの工程を踏んだ後に一旦組み立て。

組み立てたものを更に加工して最終精度を出していきました。

珍しく弊社のほぼすべての設備を踏んづけていったこのワークが今日無事に出荷

ほっと一息でした。

図面はよく読めば解釈も簡単で、工程構築もそこそこうまくいきましたが

最終の精度出しがクセ強で「ガバガバでええで」というもの

図面上の穴精度公差はH7 つまり決められた穴の大きさに対して

許される誤差は+0.02ミリ程度ですが、それだと組み立てが大変とのことで

追加オーダー「H7部分はガバガバで」

そういうあいまいなのが逆に難しいんよ・・・

仕方ないのでお客様と協議した結果「公差は+0.1~0.2とする」になりました。

それでももっとガバガバ公差がいいならヤスリで削ってください・・・

そしてうちの職人、全ての穴を+0.15であわせてきました。

いや君すごいな

 

しんどい仕事

数ある仕事の中でも私たち鉄工所の仕事のメインは技術職であり

あくまで高度な技能を必要としている、と少しは自負しています。

ところが最近は機械側が賢くなっている為に、本来は数値化が難しいはずの

技能(数値化できるものは技術 とかつて習いました)がデータに置き換え

られています。鉄工所を経営しているものからすると歓迎すべき点は多いの

ですが、言い換えれば新興国をはじめとして基礎的技能を備えていないものでも

簡単に機械加工で稼げるということです。

私たちの使っているマシニングセンターでもバイスに素材をセットし、工具の

加工条件はカタログに全て記載があり、プログラミングは1カ月あれば修得可能

と、敷居は確実に下がっています。

とはいえ効率やコスパを求めたり、単価の良い仕事をするには経験と技能を

持っている会社に軍配が上がるのは当たり前の話で、あくまで「敷居が

低くなった」というだけで誰でも始められるものではないと思います。

豆粒ほどのプライドを持って仕事をしている私たちですが、やっぱり苦手な仕事

といいますか、嫌いな仕事というのはあります。

それはチマチマした加工です。

普段2mとか3mの素材を相手にしているとお目にかかる機械の少ない小径穴

の加工なんて、気合が入るまでに数日を要します。

今回気合を入れて加工したのはM2という小さなタップ加工

普段から小径を加工されている人からしたら大したことねーよと怒られるかも

しれませんが、嫌なもんは嫌なんです。

約1mほどの素材にあれこれ加工を行い、最後の最後に残ったM2タップ加工

少しでも手元が斜めになると折れます。

折れる時の感覚は本当に僅かで、パスタの乾麺を折るより大人しい感覚です

ああいやだいやだ早くおわってくれ と祈りながらタップをねじ込みます。

こんなに集中するのは今年に入って2回目、子供の耳掃除以来か

圧倒的な集中力の結果、なんとか終わった時に呼吸を忘れていることに

気付き、ふ~~っと溜息、深呼吸

加工品1枚につき2穴

あと7枚・・・うそでしょ・・・

いかつい穴加工

横中ぐり盤での穴加工です。

どうにもアプローチしにくい場所に穴あけ加工です。

しかも中々の深穴でかなり苦労している様子でしたが、

横中ぐり盤の職人が粘り強く正解を導き出してくれました。

かなり苦労したようで、一仕事終えた職人は

「もうやりたくないっす!」

と爽やかに言っていました。

長尺品のマシニング加工

少しづつですが秋めいてきました。

エアコンは効いていても外に出れば汗が噴き出す時期が過ぎてほっとします。

仕事量も相変わらず忙しくさせて頂いていますが、波が激しいため先の予測が

難しく、仕事を取る按配がとんでもなく難しい状況です。

先行き不安で取りすぎるとパンクしそうで、取らなさすぎると暇になりそう

難しい舵取りですが、所詮は中小零細企業ですから大企業に比べると簡単な

のでしょう。多分。

写真は長尺のスライド部品です。

全体像は見せれませんが、45Cを削り出して高精度な溝や穴が沢山加工

されています。

何度かリピートして頂いている加工品ですが、今回は珍しく斜め勾配加工が

求められていました。3次元加工というほど大したものではありませんが、

これくらいはラジアスを使って簡単にできます。

写真は荒加工なので、これから仕上げです。時間をかければ掛けるだけ綺麗に

なりますが、それだけコストも掛かります。

溶接用開先程度なら荒だけで終わってもいいのですが、今回はもう少し綺麗目

に、ということでここから1時間程追加です。

 

 

SUS フランジ加工

SUSのフランジにエンドミルで溝を加工しました。

Φ1100mm程度の旋盤加工されたフランジに水冷の為の溝を掘りました。

溝自体が閉じた構造のため、切粉が逃げる場所がありませんでした。

強い水圧やエアで飛ばしてもいいのですが、周囲が大変なことになるので

横中ぐり盤にて垂直に立てて加工を行いました。