ダライコ とは切削屑のことで、当社のようなフライス仕事や旋盤加工屋さんで
仕事をした際に出る屑のことです。
金属なので勿論売れるわけで、専門の買い取り業者さんが沢山います。
金属と一括りにしていますが、鉄、ステンレス、アルミ、銅、チタン・・・
様々な被削材を相手にしているので材質が変わるたびに機械とその周辺掃除が
大変です。なにしろ少しでも混ざっていると(例えばアルミに鉄が少しでも)
その買取価格は一気に下がります。
最近は鉄材料はじめとしてあらゆる材料価格が高騰しているので、それに
伴ってダライ粉買取価格も上がっているため掃除も回収も必死です。
ところで「ダライ粉」の言葉を使うのは西日本が多いそうです。
以前勤めていた機械メーカーでは「切粉(キリコ)」としか呼びませんでした。
各地を渡り歩いた営業マン曰く「ダライコは関西弁」とのこと。
ほんまかいな、と思いましたが確かに一般的に使うのは大阪の営業だけでした。
そういえば昔読んだ黒川博之の小説では「蛇螺粉」と解釈されていました。
蛇螺粉回収業で細々と生計を立てている主人公の話で、やはり大阪が舞台でした
当て字としてはなるほど理にかなった字面だと妙に納得した覚えがあります。
ところが今調べてみるとダライ盤というオランダ由来の旋盤が語源のようです。
なぁんだ、という感想ですが、同時に「蛇螺粉」という字面の説得力が大した
もんだと思いませんか?
例え間違いだとしても正直「こっちでええやん」とすら思います。
今日も今日とて熱々の「蛇螺粉」がバケット一杯にあふれています。
シカルやマシニングから出てくるそれはまさしく蛇の螺鈿といった様相です。
ただバケットの中は螺鈿のおかげでほとんど空気・・・
大した価格にはなりません。
チップクラッシャーでも買ってやろうか・・・
いやそんなもの買ったら遊んじゃうしな・・・
毎日そんなことを考えながら掃除をしています。
*チップクラッシャ
(18) The Crusher Destroy Everything Process is Amazing – YouTube