JIMTOF2022にいってきました

JIMTOF2022に行ってきました。

今回は若い職人2人を連れて、1泊2日です。

コロナ禍において中止を経て久々の開催で、人でごった返しているかな、

と思いましたがそれほどでもないかな、という程度

金曜、土曜の2日間なので開催期間中最も人が多い日であるのは間違いないのですが、過去10年で見てもフツーかな、という感じでした。

工作機械エリアは新機種や新加工法を期待していきましたが、自動化以外は前回と大して変わらず・・・

本当は革新的なものもあったのでしょうが、ハード面ではそんなに進化があるようには見えませんでした。

森オークママザックの御三家では森がコンセプトの芯が通っており圧倒的によかったと思います。

工具エリアでは最近のトレンドをなんとか掴むことが出来たかと思います。

3人で2日間、足腰の疲れと引き換えになんとか成果は得られました。

若い2人も熱心に見てくれました。

自分たちの作業を如何に効率的に、高クオリティにするか、かなり真剣です。

やっぱりネットや工具屋さんが持ってくる情報だけでなく、自らが出向くことが一番の近道だと再認識しました。

ただ、こんな疲れっぷりとお金のなくなりっぷりは2年に1回で勘弁

 

 

ロングドリル加工

被削材 SUS316L  約Φ30程のロングドリル加工です。

10D(ドリルの直径=D の10倍)以上の加工となります。

一般的に5D以上の加工は難しいといわれます。(被削材やドリル径によって変わります)

今回は切粉の排出性や機械剛性などを考慮して横中ぐり盤で加工しました。

ドリルをセットして、加工をスタート・・・と何も工夫しなくても穴はあきます。

ただ、何もしなければ決して「真っ直ぐ」には開きません。

如何に工夫と手間をかけて、真っ直ぐ・綺麗に・早く開けるか

腕の見せ所です。

と書いたところで完成品の写真を撮るのを忘れてしまいました。

全貌をお見せできるわけもないのですが、ロングドリルの部分だけでも撮っておけばよかった・・・

丸を四角に

写真はシカル加工です。

約200mm程の径の丸棒を、四角に削っていきます。

その後、門型マシニングや横中ぐり盤を経て、最初の丸棒からは想像もできない形へと変貌していきます。

いわゆる削り出しですね。

時間は掛かりますし、もちろんコストも掛かります。

ですが、製缶に比べ強度も精度も申し分ないものが出来上がりました。

写真は工程のほんの一部、スタート地点の加工ですが、ここで適当な仕事をすると後で痛い目をみます。

事前に各工程の担当者全員で擦り合わせを行い、あーでもないこーでもないと議論します。

結論はただ一つの「いいものを作る」だけなのに、何通りものアプローチの仕方を考えて加工しました。

これまた頑張っただけに完成品を載せることが出来ないのが辛い所です。

走れども走れども

今年のマグロシーズンが終わりました。

計画をスタートしてから9か月。先日予定していた釣行を全て終えました

走れども走れどもナブラに出会えず、誘い出しての1ブレイクのみ・・・

 

周辺の取引先様と異様に盛り上がったキハダキャストですが、

実際に行ってみると理想と現実のギャップに驚かされることばかりでした。

当たり前ですがYouTubeのように簡単には釣れず、今季は何とか1本

それも上げたというだけで、掛けてないので実際には釣果0という結果です。

写真は持って帰らせてもらった32kgのキハダです。

釣果は0ですが普段の近海の釣りでは見れない光景が沢山みれました。

ジンベエザメ、お昼寝カジキ、イルカ、クジラ、辺り一面飛び跳ねるマグロ、海面が真っ白になる程のスーパーボイル・・・

BBCでも見ているかのような不思議な光景ばかりでした。

また少ないチャンスをものにするためにノット(結び方)から細かいリールの調整まで、全てを1から見直す良い機会になりました。

なんとなくですが、自分のレベルが上がったことを実感できます。

人口の少ないマイナーな釣りですが、一人でも仲間が増えたらいいなぁと心から思います。

もしやってみたい、という方がいらっしゃったら是非声をかけてください。

豊中のマグロを追い求める鉄工所が待ってます

ただちょっと引くくらいお金がかかるのが・・・

 

製缶加工品 腕の見せ所

製缶加工品です。

アングルで組まれたフレームの上に溶接されたフラットバーを削り、穴あけのご依頼です。

お世辞にも頑丈とは言えないペラペラの構造体を、いかにキレイに加工するか。

腕の見せ所です。

当然、マシニングセンターに載せて固定するだけでは全然だめです。

様々な企業秘密の工程を踏んで、モノにしていきます。

その工程を見れば、人によっては「そんなことまでするの?」となるかもしれませんし、「そんなのでいいの?」と言われるかもしれません。

職人がぞろぞろと集まって頭を突き合わせてあーでもないこーでもない

結果、良いものを職人が作り上げてくれたときは誇らしい気持ちになります。

みんなもっと見て!とすら思いますが全体を公開など出来るはずもなく・・・

もしよければ、見に来てください。

そんな製品がいつもあるわけではなんですけどね

 

奥深い部分をどう攻めるか

フライス加工といえば、多くの場合が主軸(加工の刃物)が上に付いていて

加工物(ワーク)がテーブルに固定されていることが多いです。

つまり、フライス加工といえばワーク上面の加工が圧倒的に多いわけです。

ですが当社のような町工場には上面だけではなく、側面や底面など

その時その場面で様々な場所を加工しなければならないのです。

特に難しいのが奥まった場所でとても通常工具が届かない場所です。

上面の加工のような普通の加工ではなく、刃物の側面を使った加工を肩削り

といいます。

奥まった深い場所ではこの肩削りというテクニックを使って加工します。

表紙の写真はかなり長い工具を使って加工した面です。

大人の腕くらい長い工具で削っています。

工具の長さによって面相度や輝き方に大きく違いが出てきます。

お客様の求めるものに極力近づく様、職人が日々より良い加工条件を探し、

トライを繰り返しています。

写真ではわかりませんが、触るとほとんど段差のない加工面で、

目を瞑って触ると普通のフライス面と遜色ない面相度です。

ただ肩削りのプログラムを作れば出来るものではなく、

・送り速度・回転数・チップ材質・仕上げ代・etc…….

追及するべき項目は多岐に渡るため、当社でも正解は持っていません。

その時、ワークによって全てを調整します。

超ロングな工具は高い上に使ってみないとモノになるかわかりません。

新しいものも沢山出てるけど、誰か試させてくれないかなぁ

 

 

 

身体の疲れと引き換えに

先日、取引先の方と魚釣りに行ってきました。

私にとっては今年に入って2回目の釣り。一回目は大撃沈だったので否が応でも気合が入ります。

とはいえ、個人の趣味の釣りでも無くお客さんを引率しての釣行なのではしゃぐこともなく粛々と準備から当日となりました。

今回は和歌山・印南周辺でイサキ釣りです。

まさに旬のイサキがよく釣れているという情報を先取りして予約を取ったのが1か月前。

ほんの少しでも遅れていたら予約が取れないぐらいの満船ぶりでした。

朝4時出船とのことで前日夜中に現地到着し仮眠を取りますが、ひっきりなしに出入りする車と、隣で寝ているおっさん(社長)のイビキのせいでほとんど寝れませんでした。

出船前から何かとバタバタしましたが、いざポイント到着してからはそれなりに釣れ、みんな大満足で帰ることができました。

沢山はいらないから、と小さいクーラーボックスを持参しましたが、ジャンボイサキが入りきらず、挙句に蓋が壊れる始末。

でも釣れるのが判っている釣りでも、やっぱり釣れるとうれしいものです。

ただ、往復の運転と大量のイサキの下処理で身体はヘロヘロに・・・

刺身で食べましたが、味がどうのこうのよりも眠気が・・・

 

 

ただ和歌山は遠いなぁ・・・

ボーリング加工

先日加工した案件です。

丸パイプの内径加工ですが、いろいろと周りに溶接されているため旋盤加工できず当社に依頼を頂きました。

両端面より精密内径仕上げを実施しました。

図面上は公差が指定されていますが、実際にはオイルカラー組付け時に若干のゆとりが欲しいとのことで公差幅を狭めつつ、少し引き上げました。

200mmを超える大径パイプの内径加工はクランプ・アンクランプだけで歪が発生して公差内に収めるのが厳しい加工です。

まして切削抵抗も大きいため、並みのクランプではワークが飛んで行ってしまいます。

見た目よりも難しい加工ですが、職人がキッチリと要求に応えた加工でお客様に満足して頂きました。

 

見えないものを見てみたら

従業員全員がワクチン3回目を終え、平常運転を行っておりますが戦争の影響が遠からずあるのか、少し暇な状況です。

周りの会社さんも同じくですが、なんとか機械は止まらない程度に仕事を頂いています。

そんな状況なので、忙しいときは皆さんバタバタなのですが、最近は打ち合わせついでに世間話をする時間がとても長くなったように思います。

とくに近年は御取引先の方と釣りの話で盛り上がることが非常に増えました。

私は小さいころから父(社長)に連れられて堤防や川に釣りに連れて行ってもらい、大人になってからも父と2人や取引先の方、友人とよく釣りに行かせてもらっています。

子供も小さいため独身の頃の様に毎週行くことは出来ません。行けても精々が月1回、今年に入ってからなどまだ1回しか行けていません。

ですがその分、1回に懸ける思いが強く、というか若干暴走気味だと自覚しています。

取引先の方と「1回の釣りの満足度を上げたい」という共通目標を掲げ、今年からついに超大物、釣り人の最終目標であるマグロを狙う計画が立ち上がってしまいました。

マグロを釣るべく道具を揃えているのですが、使うルアーもいちいちでっかいものばかりで、お値段も張ります。

樹脂製の大量生産品もいいのですが、こんな仕事をしていると本物の職人(ルアービルダーという実在の職人です)が作ったウッド製の削り出しルアーが欲しくなってしまいます。

実際手に入れてみるとそれはそれは綺麗な造りで、コレクターがいるのも頷けます。

そんな手作りルアーを、ある知り合いがX線写真を撮ったとのことで見せてもらいました。

普段は絶対に見ることの出来ない写真でも、見てみると決して左右対称でないこと、ワイヤー貫通方式でも、貫通の為の穴は最小限にすることで強度と浮力のバランスを絶妙にとっていること、ステンレスワイヤーの巻き付けフィニッシュの仕方も丁寧で強度も重視していること、など職人のこだわりが見える写真でした。

突き詰めて観察するともっと良さがよくわかる、そんな仕事を自分もしていきたいものです。

 

巨大タンク加工

東芝BTDで巨大なタンクの回転軸ハウジングの加工です。

全体はお見せできませんが、軽トラサイズのタンクの周りに付いているハウジング部分を加工しました。

 

テーブルごと回転させることで、反対側の加工面との同芯度もバッチリです。

機上計測ですが、タッチセンサーで0.03mm程度には収まりました。

 

加工そのものだけではなく、写真の様に従業員(若手もベテランも)協力し合って段取りを行います。

なにより重要なのはタンク下についている治具です。

今回はこのタンクを請け負った製缶屋さんが頭をかなり悩ませて作ってくれました。

できあがりは流石の一言。熱歪みを見事に制御して作られた治具は段取りを大幅に楽にしてくれました。